銀ナノワイヤー チュートリアル

日本語

#1

詳細問題定義
散乱断面積は次のように定義されます。

ここで、Pscat は全散乱パワー[W]で、Iinc は入射強度[W/m2]です。2Dでは、パワーは単位長さ当たりのパワーとして[W/m]表示されます。従って、散乱断面積は長さの次元をもちます。全散乱パワーは、シミュレーション領域の散乱された電磁場領域内に設定された4つのパワーモニターを通して外部に流出するパワーの合計を計算します。
同様に吸収断面積は次のように定義されます。
,
ここで、 Pabs は粒子によって吸収される全パワーです。粒子によって吸収されるパワーは、シミュレーション領域の全電磁場領域内に設定された4つのモニターを通して流入する正味のパワーを計算します。

消光断面積は吸収と散乱断面積の和です。

議論と結果

シミュレーション設定
シミュレーション設定が終了すると、下記のスクリーンショットのようになります。ナノワイヤは、シミュレーション領域の真ん中にある円です。ナノワイヤを囲んで2つの黄色い箱
上のモニターがあります。その2つのモニター上の箱の間に、灰色で描かれた3番目の箱があります。この箱がTotal-field scattered-field (TFSF) 光源です。

TFSF光源は、平面波タイプの光源で、粒子散乱で多く使われます。ピンクの矢印は、光の伝搬方向を示し(k ベクトル)、水色の矢印は、偏光を表します(電場ベクトル)。 灰色の箱の内側の領域では、全電磁場(入射平面電磁場+粒子からの散乱電磁場)が計算されます。光源の境界では、入射平面電磁場は差し引かれ、光源の内側の粒子による散乱の電磁場だけが残されます。TFSF光源に関する詳細情報は、オンラインユーザーガイドの、Sourcesセクションをご覧下さい。

TFSF光源を使用しているので、ナノワイヤによる散乱パワーは、光源の外側のモニターボックスを通した流出パワーとして計算されます。ナノワイヤにより吸収されたパワーは、 total電磁場領域内のモニターに流入するパワーと同等です。

設定手順
このページは、2つの独立セクションから構成されます。シミュレーションは、最初のセクションにしたがって、始めから設定することができます。あるいは、このチュートリアルの最初のページにある関連ファイルを使用して、次のセクションから始めることもできます。

モデル設定
•新しいシミュレーションファイルを開いて下さい。その手順に関しては入門例の導入部のFDTD Solutions GUI pageをご覧下さい。
• STRUCTURESボタンの右側の矢印を押して プルダウンメニューからCIRCLEサークルを選択して下さい。

次に下記の表に従ってCIRCLEの特性値を設定して下さい。 長さの単位を、ミクロン(μm)からナノメートル(nm)に変更するには、メニューバーのSetting -> Length units -> nanometers を実行してください。

・SIMULATIONボタンを押して シミュレーション領域を追加してください。 もし、あなたのボタン表示が左のボタン表示と異なる場合は、シミュレーション領域を得るために右側の矢印を押す必要があります。

次のテーブルに従って特性値を設定して下さい。

・ ここでは、2Dシミュレーション領域を使用しているので、"z span"は意味がありません。このような特性設定は、今後のモデル手順では省略され、デフォルト値 (z = 0)が使用されます。
• SIMULATIONボタンの矢印を押して プルダウンメニューの MESH領域を選択して下さい。
次の表にしたがって特性値を設定して下さい。

• SOURCESボタンの矢印を押して プルダウンメニューからTotal-field scatter-field (TFSF)光源を選択して下さい。 次の表に従って特性値を設定してください。

• ANALYSISボタンの矢印を押して プルダウンメニューからOPTICAL POWER を選択して下さい。この操作によりオブジェクトライブラリーウィンドウが開きます。
• CROSS SECTIONアナリシスグループを挿入(Insert)し、次のテーブルに従ってこのグループ特性値を設定して下さい。

  • Z span値はXY平面の2Dシミュレーションなので重要ではありません。
    • COPY ボタンを使って"scat" を作成し、次の表に従ってこのグループの特性値を設定してください。

• MONITORSボタンの矢印を押して プルダウンメニューからGLOBAL PROPERTIESを選択してください。FREQUENCY POINTSに100を設定して下さい。
• MONITORSボタンの矢印を押して、プルダウンメニューからFIELD TIMEモニターを選択して下さい。次の表に従ってモニター特性値を設定して下さい。

シミュレーション実行と断面積プロット

• MATERIAL EXPLORERを開くためにCHECKボタンを押して下さい。波長の関数として屈折率のプロットをするためにFIT AND PLOTを押して下さい。
• CHECK ボタンの右側の矢印を押して、シミュレーションとメモリーを確認するため"Check simulation and memory requirements"ボタン を選択して下さい。
・次にメッシングが適切であるかを確認するためVIEW SIMULATION MESHボタンを押して、ツールバーのズームボタンを使用して確認して下さい。
これらのツールの使い方の詳細はLayout editor section of the reference guideをご覧下さい。
• Resourcesボタンを押して、装置のプロセス数(コアー数)を確認して下さい。それから"Run Tests"ボタンを押して、エンジンソフト(計算用ソフト)が正確に設定されているかを確認して下さい。最初にこのテストを実行する時、オペレーティングシステムアカウントに関するユーザー名とパスワードが要求されるかもしれません。その場合は、適切な記入を行って"Register" を押し、それから"OK" を押して、その後テストを再開して下さい。

• RUNボタンを押してシミュレーションを実行して下さい。
・計算が終了すると、オブジェクトツリー内の全てのモニターやアナリシスグループに、シュミレーションデータが保存されます。Results Viewウィンドウは、選択されたオブジェクトの全ての結果や対応する次元・値を表示できます。タイムモニター上で右クリックし、Visualize -> Eを選択することにより、時間領域データをプロットして下さい。

• Visualizer内で、電場データのどの成分を表示するかを選択することができます。下記のスクリーンショットは電場のX成分の実数部を表示しています。

• 断面情報をプロットするには、“scat” と"total" アナリシスグループ上で右クリックし、“Run analysis"を選択して下さい。これにより断面結果の計算をするために、アナリシスグループ内のアナリシススクリプトが実行されます。
• “scat analysis group” 上で右クリックするとVisualize->sigmaのオプションを見ることができます。これによりVisualizerで、周波数関数として散乱断面積をプロットすることができます。波長の関数として結果をプロットするには、Visualizerの下の方にある"Parameter"オプションを"f” から"wavelength" に変更して下さい。同様にParametersセクションの右側の"Units" を、ナノメートルに変えることもできます。
• Visualizerを閉じずにオブジェクトツリーに戻り、“total’ アナリシスグループ上で右クリックして下さい。それから、add to visualize1->sigmaを選択して下さい。それにより、同じVisualizer内で2つの断面結果をプロットすることができます。
• 吸収断面積は"total” では負の値となります。それは、パワーのモニターからの流出でなく、流入によるものです。“Scalar operation” の使用により、Visualizer内の結果に負の符号をつけて、正に反転できます。

理論値との比較

• Visualizerの使用により、必要なデータをプロットすることができますが、理論的計算結果との比較は、スクリプト環境を通して行わなければなりません。
• スクリプトファイルエディターを開いて下さい。(詳細はIntroduction section of Scriptをご覧下さい。)
• この例題の最初のページにある、“plotcs.lsf” スクリプトファイルを、この例題の保存先に保存して下さい。
OPEN SCRIPTボタンを使って、保存した"plotcs.lsf" スクリプトファイルを開いて下さい。
• Script File Editorウィンドウ上の、RUN SCRIPTボタンを使ってスクリプトファイルを実行して下さい。これにより、議論と結果の所で表示されている、断面の2つのプロットを表示することができます。

** 電磁場データのプロット**
Switch the simulation back into layout mode the SWITCH button レイアウトモードに移行するため、SWITCH ボタン で切り替えて下さい。

• メッシュ設定を、次のように変更して下さい。dx = dy = 0.5nm
• MONITORSボタンの矢印を押して、プルダウンメニューからFREQUENCY DOMAIN FIELD PROFILEモニターを選択して下さい。次の表に従って特性値を設定して下さい。

• RUNボタンを押して、再度シミュレーションを実行してください。
• シミュレーションが終了したら、Visualizerでプロファイルモニターデータをプロットして下さい。(right-click -> Visualize -> E)
“Plot in new window” ボタンをクリックすることにより新たなウィンドウでイメージをプロットすることができます。
• 新たな表示上で、SETTINGSメニューを使用して、カラーバーの上下限を変更して下さい。
議論と結果と同一のプロットを得るために、カラーバー下限を0に、上限を5に設定して下さい。