フォトニック結晶ファイバー MODE GS


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フォトニック結晶ファイバー MODE GS

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注意:この情報内の例題に必要なファイルは、Lumerical社英語サイトからご利用願います。

問題定義
この例題では、フォトニック結晶ファイバー(PCF)の研究において、MODE Solutionsがどのように使われるかを示します。組み込み型解析ツールを使用して、フォトニック結晶ファイバーの実効屈折率や分散を計算します。さらに、いかにフォトニック結晶ファイバーに効率よく光がカップリングされるか、また、ファイバーの曲がりによるロスをどのように評価するかが示されます。

詳細問題定義

次のような、マイクロ構造シリカファイバーのフォトニック結晶ファイバーが考察されます。
エアホールピッチ= 23.2ミクロン、エアホール径=5.8ミクロン(但し、中心エアホール無し)
ここでは次の事項が取り上げられます。

• Object Libraryを使用した、PCF生成
・ Modal Analysisを使用した、1550nmでの基本モード実効屈折率計算

• Frequency Analysisを使用した、フォトニック結晶ファイバーの波長と全分散の計算
• Bend Analysisを使用した、90度の曲げにおける、伝搬ロスとマクロベンディングロスを含んだ全ロス解析

議論と結果

シミュレーション設定
フォトニック結晶ファイバー(PCF)は、半径300ミクロンの円形ファイバーに、六角形格子のエアホールを形成することによって作られます。格子定数は23.2ミクロンで、フォトニック結晶格子内のエアホール半径は、5.8ミクロンです。この場合、中心エアホールはありません。 エアホールの材質設定は、“etch”(メッシュオーダー1)と設定されております。一方、ファイバーのメッシュオーダーは2と設定されています。この場合、MODE Solutionsは、2つの重なった領域の材質設定として、メッシュオーダー1のエアホールの屈折率データを使用します。メッシュオーダーの詳細に関しては、Reference Guide内のmesh orderページを参照して下さい。
最初の解析では、粗いメッシュから始めて下さい。(目安はXY方向に50グリッド点です。)このような設定により、早く適切な結果が得られます。高精度が要求される場合は、グリッド点数を増やして下さい。但し、グリッド点を増やすことにより、より多くのメモリーが消費されます。

正確な結果を得るために、構造周期が適切に離散化されていなければなりません。一般的には、シミュレーション領域の間隔内で、デバイスの各周期内のメッシュ数が、整数倍になるように設定して下さい。この例ではXとY spanは、各軸に沿って、構造周期の12倍で、その各周期内に60/12=5メッシュが存在します。
下記のスクリーンショットにおいて (あるいはVIEW SIMULATION MESH をクリックし、メッシュを確認することができます。)、各エアホールの同一点に、メッシュ点があります。もし、メッシュ線が異なった位置にくる場合は、各エアホールは少し異なったサイズと形状を持ち、これによりシミュレーション精度が低下します。

y min境界条件がsymmetricと設定されているので、X軸に沿った電場偏光の基本モードが選択されていることに注意して下さい。

モード解析結果
Modal Analysisを始める前に、計算に使用される材質特性が適切であるかを確認するため、常に構造のメッシングを行って下さい。次に、モード実効屈折率の評価を行います。この場合、SEARCH IN RANGEオプションを使います。それは、基本モードの実効屈折率がまだ不明だからです。この設定により、MODE Solutionsは、n1とn2で示された実効屈折率領域内を移動し、光のエネルギーの大部分が計算領域の内部に位置するモードを決定します。計算中、index table内に5個以上のモードが表示された時は、プログレスウィンドウのSTOPボタンを押して下さい。

次のような結果になります。

表の中のそれぞれのモードを選択することにより、そのモードの空間強度分布がウィンドウに表示されます。最も高い実行屈折率をもつモード#1は、中心部分に集中した分布を持ちます。これが、基本モード(実効屈折率約1.4436)です。 この値は、SEARCH NEAR Nオプションを使ってより細かいメッシュの計算をする場合、計算スピードを上げることができます。最初の計算では、基本モードを見つけ、次の計算では、高解像度を見出します。実行屈折率は、細かいメッシングの使用により、多少移動するかもしれません。

重要なモードは、フォトニック結晶ファイバーの中心近くにエネルギーを持ちます(PML境界から離れて)。PML境界付近に見いだされるモードは、人工的なものなので、自動的に削除されます。ADVANCED OPTIONSタブは、このような人工的モードを削除するように設定されています。従って、MODE Solutionsは全ての重要なモードのみを表示します。
mode tableに表示されたそれぞれのモードに対して、実効屈折率、伝搬ロス、偏光特性を表示できます。(詳細定義はMode List and Deckをご覧下さい。)

周波数解析結果
特定のモードの実効屈折率や伝搬ロスの周波数依存は、周波数解析ツールで計算されます。さらにモード群速度、群実効屈折率、モード遅延や分散の決定もできます。これらの解析は、Frequency Analysisタブで行われます。ここでは、周波数(波長)の広帯域での基本モードの導波路分散を決定します。
"Modeling instructions"の手順に従って、下記の分散プロットが得られます。これは、全分散 (材質分散+導波路分散) のプロットで、波長1.55ミクロンで全分散25.8 ps/(nm×km)です。より高精度の分散計算をするためには、グリッド点数を増やす必要があります。練習として、グリッド点数を2倍にして実行し、結果が大きく変化するかどうか確認してください。

測定された全分散から導波路自身の分散の決定をするために、Corning材質の材質分散を削除する必要はあります。これを行うために、MATERIAL EXPLORERを使って、1550nmの波長でのCorning材質の屈折率を決定する必要があります。 (Material Database内のMATERIAL EXPLORERボタンを押して下さい。)

材質は、“Corning 7980 Silica” に設定されています。屈折率を決めるために、波長の最大最小値を1.55ミクロンに設定し、"Fit and plot"ボタンをクリックして下さい。 それから、Re(index)プロットから屈折率の実数部が1.4440と読み取って下さい。ファイバーの屈折率を、非分散媒質の屈折率1.4440と設定し、スイープを再実行して下さい。周波数スイーププロットから、導波路の分散が約1.3 ps/(nm×km) になるのがわかります。これにより、材質分散は、このマイクロ構造ファイバーの全分散の主要部分であることがわかります。

曲げ解析結果
下のプロットから、全ロスは、曲率半径が2メートルよりも小さくなると減少するのがわかります。しかしながら、曲げに起因するロスは、曲率半径が0.3メートルから急激に増加し始めます。小さな曲率半径の曲がりに関しては、重要な基本モードは、フォトニック結晶ファイバー内で、クラッディングモードに著しく結合を始めます。これにより、曲げ半径に対する複雑なロスの関係となります。

設定手順
この例題は、4つの部分から構成されています。第1の部分は、設定方法が書かれています(PCF構造+シミュレーションパラメーター)。第2と第3の部分では、モード解析と周波数解析が行われ、第4の部分では、曲げの関数としてロスを計算するため、組み込み式パラメータスイープツールの使い方が示されます。
モデル設定
設定される構造体は、Layout Editor内のSTRUCTURESタブを使用して生成されます。エアホールをファイバー内に作らなければなりません。
• MODE Solutionsを立ち上げて下さい。設定中に、MODE Solutionsのプロジェクトファイル (拡張子 *.lms) を、 セーブして下さい。セーブするために、FILEメニュー内のSAVEを選択して下さい。
• MATERIAL DATABASEボタン をクリックし、次の表に従って、sellmeier材質を設定して下さい。

• STRUCTURESボタン の矢印を押して、プルダウンメニューからCIRCLEを選択して下さい。次の表にしたがって、円の特性値を設定して下さい。

• COMPONENTSボタン の矢印を押して、プルダウンメニューからPHOTONIC CRYSTALSを選択して下さい。これにより、オブジェクトライブラリウィンドウが開きます。
• リストからHEXAGONAL LATTICE PC H-CAVITYを選択し、INSERTボタンを押して下さい。
• 次の表に従って、PC Cavityの特性値を設定して下さい。

• EIGENMODE SOLVERシミュレーション領域を加えるために、SIMULATIONボタン を押して下さい。ボタン表示が左側のものと異なる場合は、シミュレーション領域を得るために、右側の矢印を押す必要があります。次の表に従って特性値を設定して下さい。

• Layout Editor内で画像のサイズを変えるために、Zoom EXTENTボタン を押して下さい。

モード解析
• RUN ACTIVE SIMULATIONボタン のあるANALYSISタブを選択して下さい。
• Modal analysisタブで、次のパラメータを入力して下さい。

•Click the MESH STRUCTURE button to see the meshed PCF.メッシングされたPCFを確認するためMESH STRUCTUREボタンを押して下さい。
• CALCULATE MODESボタンを押して下さい。index table内にいくつかのモードが現れたら、プログレスウィンドウのSTOPボタンを押して下さい。

• 基本モードの実効屈折率が1.4436近くであることを確認したら、LAYOUTボタン を押して、レイアウトエディターに戻って下さい。MODEオブジェクトを選択し、XとYのメッシュ数を120に設定して下さい。これにより計算は遅くなりますが、精度は向上します。

• MODAL ANALYSISタブに戻り、SEARCH NEAR Nオプションを選択して下さい。use max indexのチェックを外し、屈折率を1.4436に設定して下さい。それから、CALCULATE MODESボタンを押して下さい。

• Modal Analysisタブに加えて、計算されたモードを、Visualizerを使用して確認することもできます。下に示されたObject tree内で、Eigensolverシミュレーション領域のところに、"data"と呼ばれるEigensolverDataGroupがあります。それは、モードリスト内の全てのモードと同様に、材質モニターを含んでいます。オブジェクト上で右クリックし、そのオブジェクトに対応した異なったデータ集合を確認することができます。

例えば、mode1の電磁場を確認することができます。

周波数解析
• Frequency analysisタブで、モードテーブル内の特定のモードを、クリックして選択して下さい。下のパラメータを入力して下さい。

• スイープを始めるために、FREQUENCY SWEEPボタンをクリックして下さい。スイープには約1分程度かかります。

• 波長の関数として計算された分散をプロットするために、frequency analysisウィンドウの右下にあるFREQUENCY PLOTタブを選択して下さい。それから、プルダウンメニューの"Dispersion"選択して下さい。分散プロットは、frequency plot tabの上に現れます。もし、PLOT IN NEW WINDOWを押すと、別のウィンドウが開きます。

• 測定された全分散から材質分散を除いた、導波路構造による分散を決定するために、レイアウトエディタに戻って、ファイバーの材質値を変えなければなりません。LAYOUTボタン をクリックし、レイアウトボタンに戻って下さい。Analysisタブは、自動的に閉じられます。

• ファイバー構造を選択し、材質を"Corning 7980 Silica"から ""に変更し、INDEXに1.444を設定して下さい。再度、周波数スイープを実行して下さい。

曲げ解析
フォトニック結晶ファイバーを解析する次のステップで、90度の曲げに対する全ロスが、曲率半径の関数としてどのように変化するかを確認します。スイープを実行する前に、LAYOUTに戻って、ファイバー材質を"Corning 7980 Silica"に変更し、モードを再度計算して下さい。空孔性能の効果的・組織的変化を解析するための一連のシミュレーション実行のため、MODE Solutionsに組み込まれたパラメータスイープツールを使用することができます。曲げ解析パラメータスイープ設定には、3つのステップあります。

ステップ1: パラメータスイープに利用可能なデータ設定
基本モードのロスを計算しますが、一般的には、複数のモードが見出されます。目的のモードを調べるために、基本モードの参照コピーを、D-CARDに保存して下さい。(D-CARDはデータの定義、解析や解析ルーチンや応用ソフト間のデータ移動が可能な、便利なデータ記憶システムです。)MODE LIST内から基本モードを選択し、それを右クリックして、"Add selected modes to global deck"をクリックして下さい。デフォルト名"global_mode1"が、D-CARDに生成されます。このD-CARD上でダブルクリックし、"FUND"と名前を変更して下さい。(名前は大文字で入力しなければなりません。)

次に、各曲がり半径に対する基本モードのロスを計算します。

• LAYOUTに戻り、MODEデータグループ上で右クリックして下さい。上の図のように、リストからEdit objectオプションを選択して下さい。

• Analysis->Variablesタブで、下側のADDボタンをクリックして下さい。これにより、データグループがパラメータスイープに与える結果を追加します。下の左側のウィンドウのように、結果を"loss"という名前に変更して下さい。
• 右下に示されているように、Analysis->Scriptタブを選択して下さい。それから、シミュレーションの終了時に、"loss"の結果をデータに追加する、下記のスクリプトコマンドを追加して下さい。変更をセーブするために、OKをクリックして下さい。

ステップ2: スイープ生成
• 上のVIEWメニューを使って、Optimization and Sweepsウィンドウを開いて下さい。あるいは、上のタイトルバー上で右クリックすることにより、同一ウィンドウを開くことができます。
• 新しいスイープを追加するために、CREATE NEW PARAMETER SWEEPボタン を押して下さい。パラメータスイープ上で右クリックし、パラメータスイープのeditを選択して下さい。下記のスクリーンショットに従って、特性値を設定して下さい。あなたが選択できる唯一の結果は、上記のAnalysis->Variablesのスクリーンショットに示されてるものだけです。

• ここで"roc" (曲率半径)の値は、roc = 2/linspace(1,5.5,10)^2式から計算されるので、下のように"Values"を選択し、各値を一つずつ入力して下さい。もし、等間隔でパラメータスイープを行いたい場合は、"Range"を選択し、Start/Stop値を入力して下さい。

ステップ3: スイープ実行とデータプロット
• Modal analysisウィンドウで"bent waveguide"を選択し、"Calculate Modes"をクリックして下さい。これにより、曲げ半径の値を変えながらスイープが実行されます。
• スイープを実行するために、Optimizations and SweepsウィンドウでRUN SWEEP ボタンを押して下さい。
• Modal Analysisと同様に、結果のプロットをVisualizerで行うことができます。

90度の曲がりに関するロスを決定したいので、ロスの代わりに をプロットするのが有用です。これは、実際の曲げ角であり、曲げ方向ではありません。
これを実行するために、上部のVIEWメニューを使って、スクリプトプロンプトウィンドウを開いて下さい。これは、上部のタイトルバー上で、右クリックすることによっても可能です。下記のコマンドを、スクリプトプトンプトにコピー・ペーストして、それを実行するために、キーボードのENTERを押して下さい。